2025年8月15日に金曜ロードショーで放送された『火垂るの墓』は、終戦80年という節目ということや久しぶりの放送ということもあり特に注目されています。
「金ロー『火垂るの墓』のラストシーンは昔と変わった?」
「ノーカットと言われるけれど、劇場版と完全に同じなの?」
「放送されなかった期間の理由はなぜ?」
など、気になっている方も多いですよね。
そこで今回は以下の内容で記事をまとめたので、ぜひ最後までご覧ください!
▶【火垂るの墓】ラストシーンの真相
▶現代のビル群を見つめる清太と節子の意味
▶【火垂るの墓】放送されなかった期間の理由
【火垂るの墓】ラストシーンの違いの真相

さっそく、金曜ロードショーで放送された「火垂るの墓」のラストシーンの違いの真相について見ていきましょう!
昔の金曜ロードショーや地上波放送では、放送時間に収めるためにラストの現代(神戸ビル群)を見つめる余韻部分が短縮・カットされることが何度もありました。
つまり、「昔の放送では短縮・編集があり、2025年放送では劇場版ラストが丸ごと放送された」ため、最後のシーンの内容が変わったように感じた可能性があります。
劇場版や過去のテレビ放送との比較

『火垂るの墓』の劇場公開版・過去のテレビ放送・2025年金曜ロードショー「ノーカット版」の放送シーンを、具体的な違いで比較して見ていきましょう。
主に変わってくるシーンの内容をピックアップしています。
シーン内容 | 劇場公開版 | 過去のテレビ放送(編集あり) | 2025年金ロー ノーカット版 |
---|---|---|---|
母親の包帯・ウジ虫の描写 | 全て映像あり | カットや部分的編集あり | フル収録・カットなし |
節子の衰弱・汚れた食事 | 生々しさ含めて描写 | 衝撃的場面はカットされることあり | 全て映像あり |
ラスト:現代神戸ビル群 | 夜景の余韻・兄妹が現代を見つめる | 放送枠によって短縮・編集されることあり | フル尺・劇場版と同内容 |
エンドロール・BGM | 長尺・余韻重視 | 短縮(早送りや途中終了)されることあり | ほぼフル尺(CMなどで途切れの可能性) |
劇場公開版が「完全版」であり、過去の地上波TV放送では残酷なシーンやラスト・エンドロールなどがカット・編集されていました。
・「家族視聴・子供へのトラウマ防止」の配慮
・テレビ局や放送業界の倫理ガイドラインが1990~2010年代は特に厳しかったから
・社会的な反響やクレームへの対応を重視したから
TV版は放送時間枠やCM都合で短縮や編集が入る場合がありますが、2025年の金曜ロードショー放送はノーカットで、本編は劇場公開版にほぼ忠実な内容となっています。
「ラストシーン」現代のビル群を見つめる清太と節子の意味
『火垂るの墓』のラストシーンで、清太と節子が現代の神戸のビル群を見つめる演出は、作品全体のメッセージを象徴する極めて重要な場面です。
- 「過去」と「現在」のつながり
清太と節子は戦争の犠牲となった兄妹で、物語を通してその悲惨さを描いています。
ラストで二人が現代のビル群を眺めることで、「戦争で失われた命の上に今の社会が存在している」という事実を示しています。 - 平和な社会への問いかけ
高畑勲監督の意図は「現在の日本が過去の尊い犠牲(戦争で失われた命)の上に成立している」ことを静かに問いかけること。
観客が兄妹の視線を通して、「僕たちはその犠牲をちゃんと覚えているか」「この平和は当たり前ではない」と考えさせられます。 - 無言のメッセージ
清太と節子は言葉を発さず、ただ静かに現代を見つめます。
これは「語らずとも想像せよ」「自分自身で問いを持て」という監督のメッセージ。
幽霊のように描かれる二人が現実に関わらず現代に佇むことで、戦争の記憶を風化させてはいけないという警告にもなっています。 - 社会の発展と忘却
高度成長で発展した現代の象徴=ビル群と、過去に犠牲となった幼い命との「対比」によって、豊かになった社会が何を失ったのか、問い直す意味が込められています。

昔子供の時に見ていた時はただ悲しくなるだけだったから正直見たくなかった。
でも大人になってからは戦争の悲惨さを再認識する大切なアニメだと思う。
このように、ラストシーンの「現代のビル群を見つめる清太と節子」は、戦争の犠牲・記憶と現代社会のつながりを象徴する場面です。
私たちが享受している平和や豊かさが、失われた命と歴史の上に築かれていることを静かに問いかけ、自分自身で「忘れてはいけない記憶」を受け止めてほしいという強い願いが込められています。
【火垂るの墓】放送されなかった期間の理由
『火垂るの墓』が過去に地上波で放送されなかった期間がある理由は、主に以下のとおりです。
- 低迷する視聴率
『火垂るの墓』は1989年に初めてテレビ放送されると20%以上の高視聴率を記録しましたが、年を追うごとに視聴率は下降し、2007年以降は1桁台に低迷しました。
2023年の分析では「視聴率が取れないため、テレビ局として放送メリットが少ない」と判断され、放送回数が減少し、2013年から2018年にかけては数年周期での放送にとどまる傾向にありました。 - 内容の重さと視聴者の心理的負担
戦争の悲惨さを生々しく描いた作品であり、特に子供や家族が一緒に見る時間帯の地上波放送としては「トラウマになる」「過激すぎる」という心理的配慮や放送倫理の問題がありました。
気軽に楽しめる娯楽作品とは異なり、視聴者にとっては重いテーマであるため敬遠されがちでした。 - 商標問題などの噂(サクマ式ドロップのシーン)
劇中で重要なシーンとして登場する「サクマ式ドロップス」の表現が、実際の商標問題や権利関係と絡んで放送自粛の背景とも噂されましたが、これは大きな理由ではないとされています。 - 「放送禁止」ではないが「自粛」が続いていた
実際には放送禁止にはなっておらず、テレビ局の編成方針や視聴率面の事情により放送が控えられていたというのが正確な経緯です。

ある意味放送がない期間があり「放送禁止になったのでは?」という噂があったからこそ、作品の重要性を再認識することができたのかもしれないね。
このように『火垂るの墓』が地上波で長期間放送されなかった主な理由は、「視聴率低迷」と「戦争の重苦しい内容からの心理的配慮」にあります。
放送禁止ではなく、テレビ局側の編成上の判断や商業的な理由によるものでした。
まとめ
今回は『金ロー[火垂るの墓]ラストシーンは昔と変わった?ノーカット版の真相』について紹介しました。
▶【火垂るの墓】ラストシーンの真相
2025年8月15日の金曜ロードショーでは劇場公開版と同じ「ビル群の夜景のラストシーン」が放送され、久しぶりに「完全版」をテレビで見た視聴者が昔の印象と違うと感じる人が多かったからです。
▶現代のビル群を見つめる清太と節子の意味
ラストシーンの「現代のビル群を見つめる清太と節子」は、戦争の犠牲・記憶と現代社会のつながりを象徴する場面です。
私たちが享受している平和や豊かさが、失われた命と歴史の上に築かれていることを静かに問いかけ、自分自身で「忘れてはいけない記憶」を受け止めてほしいという強い願いが込められています。
▶【火垂るの墓】放送されなかった期間の理由
『火垂るの墓』が地上波で長期間放送されなかった主な理由は、「視聴率低迷」と「戦争の重苦しい内容からの心理的配慮」にあります。
最後までご覧いただきありがとうございました!